自分の再生環境では問題なく聞こえる動画にも、突然大きくなる箇所、長い無音区間、ステレオの問題が残っていることがあります。収録前に知りたいのは、その場所でマイク設定が適切かどうか。編集後には、新しい書き出しが実際に改善したかを確かめたくなります。
SignalMetric 2.0 は、これらの確認を端末内で完結する一つのワークフローにまとめ、iOS と Android で揃えます。両プラットフォームのリリース候補は 2.0.0、ビルド 2。主要なタスク、測定基準、レポート操作を共通化しました。
本記事は 2.0 リリース候補の機能紹介であり、両ストアでの配信開始を告知するものではありません。2026 年 9 月 15 日時点のリリース記録では、2.0 の一般公開は確認されていません。Android は近日公開予定です。iOS の提供バージョンは公式ストアでご確認ください。
目的から始められるホーム
ホーム画面では、プロ向け計器を幅いっぱいの目立つ入口に配置。その下に環境騒音、公開前チェック、録音前チェック、編集後比較を用意しました。
タイトルと設定を同じ行にまとめ、言語選択は設定へ移し、最近のチェックは初期状態で折りたたみます。一般的なスマートフォンで不要なスクロールを減らしつつ、狭い画面、タブレット、横向き、大きなシステム文字にも対応します。
最初のチェックには、合成音声と明記した八秒間のサンプルを使えます。通常と同じファイル解析を実行し、個人のファイルやマイク権限は不要で、自動再生もしません。自分の素材を取り込む前に、実際の解析結果を確認できます。
公開前に書き出し全体をチェック
対応する音声ファイル、または動画の音声トラックを取り込み、ファイル全体を解析します。バッチは最大十ファイルに対応し、ファイルごとに進捗とエラーを表示。残りの処理をキャンセルしても、完了した結果は保持します。
レポートには次の情報をまとめます。
- 統合ラウドネスと、選択した基準との差。
- サンプルピークと、4 倍オーバーサンプリングによる True Peak 推定値。
- フルスケールに近い箇所、無音区間、その時間位置。
- ステレオバランス、相関、モノラル化した際の推定損失。
- 推奨ゲインと、その変更後の推定ピーク。
イベントやエンベロープ上の区間を選び、聞き直すべき場所を特定できます。単独の数値ではなく、編集に戻って確認できる根拠を示すための機能です。
動画向け基準は -14 LUFS / -1 dBTP、講座・ポッドキャスト向け基準は -16 LUFS / -1 dBTP。EBU R128 と ATSC A/85 も選択できます。これらは比較用の目標であり、全プラットフォーム共通の必須条件や納品認証ではありません。推奨ゲインは助言であり、音声の自動ノーマライズ、修復、上書きは行いません。
録音前に環境と声を分けて確認
録音準備では、五秒間の環境サンプルと十秒間の音声サンプルを別々に取得します。静かな状態と発話を、一つの測定値に混ぜずに比較できます。
観測したノイズフロア、声のレベル、ピークの余裕を確認し、両段階で入力設定が同じか、解析データが十分新しいかも検証します。入力の変更や解析ウィンドウの欠落があれば、見かけ上正常な結論を出さず、チェックを無効とすることがあります。
本番前にマイク位置や収録場所を検討するためのチェックです。その後の発話、交通音、機器に触れる音まで、サンプルと同じ条件が続くことを保証するものではありません。
編集前後の根拠を残す
測定をタイトルとメモ付きで保存し、後の書き出しと A/B 比較できます。測定値とスペクトルを並べ、ゲイン調整、無音の編集、ミックス変更によって何が変わったかを確認します。
横にスワイプして図全体を表示
図を生成できませんでした。下でソースを確認できます。
図のソースを表示
flowchart TD
A["元の書き出しを検査"] --> B["測定を保存"]
B --> C["音声・動画エディタで編集"]
C --> D["修正後の書き出しを検査"]
D --> E["A と B を比較"]
E --> F["PDF・CSV・JSON レポートを出力"]
保存済み結果の基準を変更すると、新しい下書きを作成し、元の測定を置き換えません。古いリビジョンからの保存を拒否し、削除には明示的な確認を求めます。PDF、CSV、JSON は、メディアとは別に保存や共有ができます。
これらの出力はクラウド同期ではなく、JSON も iOS と Android のライブラリを相互移行する形式ではありません。
独立した環境騒音ツール
環境騒音に専用の入口を追加しました。部屋、収録スペース、駐車中の車内などで音の変化を追い、録音ファイルは作成しません。
リアルタイムの A 特性値、FAST 応答、エネルギー等価レベル、最小値・最大値、履歴を表示します。単位の違いが重要です。
- 校正前:デジタル入力のフルスケールを基準にした相対値 dBFS(A) を表示します。室内の絶対音圧レベルではありません。
- 校正後:信頼できる騒音計と照合すると、推定 dBA と推定 LAeq を表示できます。
- 入力経路が変わった場合:以前の校正は新しい経路には適用できず、再校正が必要です。
マイク、ゲイン処理、外部機器は端末ごとに異なります。オフセットによる校正だけで認証済み騒音計になるわけではなく、すべての周波数と音圧での応答を検証できるわけでもありません。聴覚の安全判断、職業騒音の法令適合、法的証拠には使用しないでください。
環境騒音セッションは入力を解析するだけで、音声ファイルを保存しません。
読み取りやすくなった計器
計器ワークスペースには Monitor、Spectrum、Timeline、Scope の四つのビューを引き続き用意。ピークホールド付きのセグメント型チャンネルメーター、明確なスペクトル目盛りとピークマーカー、目盛り付きのアナログ風メーターを追加しました。
Demo、マイク、ローカルファイルに対応し、明示的な録音、基準の取得、表示のフリーズも利用できます。六種類のスキンは見え方を変えるもので、測定の意味は変えません。
両アプリは英語、簡体字中国語、繁体字中国語、日本語、韓国語に対応。本ブログはサイトの構成に合わせ、英語、簡体字中国語、日本語、韓国語の四言語で提供します。
Android で揃えたこと
Android は iOS と共通の主要な流れに対応しました。ファイル・バッチ検査、録音準備、測定の保存、比較、レポート出力、環境騒音、プロ向け計器を利用できます。
Android 固有の使い勝手も改善しました。
- バックグラウンドから計器画面へ戻った際のマイク入力の復帰。
- ローカル音声の初期設定をループ再生にし、古いコールバックによる以前の音源の再開を防止。
- 再生とループ操作を一行にまとめ、独立したスキップボタンを削除。
- 標準文字サイズを抑え、狭い画面に応じて操作部を配置。
- AAC エンコードに失敗した場合の復旧可能な録音データの保持と、古いレポート保存への保護強化。
共通化は、システムダイアログやマイク性能まで同一にすることではありません。ファイル選択、権限、端末の音声処理、コーデックは各プラットフォームに依存します。Android の外部ファイル取り込み上限は 500 MiB です。
同一 PCM サンプルによる 58 項目の Swift/Kotlin 比較を通過し、選定したモノラル・ステレオのサンプルレートで、ラウドネス、ピーク、チャンネル関係、イベント数を確認しました。これは当該サンプルでの根拠であり、すべてのコーデック、端末、外部マイクで同じ結果になる証明ではありません。
ローカル優先、配信状況はストアごとに
製品方針は変わりません。買い切り、広告なし、サブスクリプションなし。音声解析は端末上で行い、アカウントも解析用の音声アップロードも不要です。録音は明示的な操作で開始します。サポートへの送信やウェブサイトの閲覧は、別の通信操作です。
iOS と Android の購入権利は別々です。ストアをまたぐ購入権利の共有や、ライブラリの自動同期はありません。
2.0 候補版で揃えたのは、利用者が行える作業です。ストア配信と残りの実機検証は別のリリース工程となります。最新情報は SignalMetric 公式サイト と iOS App Store、概要は SignalMetric 製品ガイドをご覧ください。
数値の背景は「オーディオメーターは実際に何を伝えているのか」で解説しています。レベル、ラウドネス、周波数、時間は異なる問いに答えます。2.0 はその違いを、公開前、録音前、編集後の作業につなげます。